レポート

開業に必要なお金の話【第3回 カフェの学校 資金調達編】開催レポート

2020/12/01

お店を開業するために、夢を抱くこと、熱意を語ることは欠かせません。でも、それだけでは現実に叶えること、長く続けることは難しい。お店を立ち上げる経営者として「お金」について考えることは避けて通れないのです。

2020年10月12日に開催された、第3回『カフェの学校』資金計画・資金調達編。講師を務める『市島製パン研究所』の店主・三澤 孝夫さんから、お店を始めるため、続けるために必要な「お金」の知識を教わりました。

最終回となった第3回目。飲食店の開業だけでなく、独立や新規事業の立ち上げなど、何らかの挑戦を志している人たちにとって必聴の内容となりました。当日のイベント模様をお届けします。

開業するための資金を考える

まずは前回「コンセプト編」の振り返りから。

商品を売るためには“コンセプト”“付加価値”が必要。お客さんは、商品に予め備わっている価値と付加価値を含めた「総合価値」で判断します。商品力だけでお店を続けるのは至難の技。突然繁盛店になることはありえない。付加価値やストーリー性を積み重ねていくことが大切だと、三澤さんから改めて説明がありました。

続けて、三澤さんは「でも」と付け加えます。

「コンセプトや商品開発にばかり注力してはいけません。苦手意識があるからとお金を避けて通っていると、いざというときに対処できず、お店を閉じることになってしまう。お金や借金について理解しておけば、攻めの姿勢を崩さずにチャレンジできます」

最初に話されたのは「創業時の資金調達」について。お店を開業するためには、当然ながらたくさんのお金が必要です。それをどこから手に入れるのか。いくつかの手段が紹介されました。

「何よりも大切なのは『自己資金』です。自由に使える貯金のことですね。夢に向かってスタートを切るためには、最低でも100万円の自己資金が欲しい。借入100%でお店を始めるのはありえません」

一方で、『銀行借入』の経験も大事だと三澤さん。自己資金をたくさん持っているとしても、だからこそ、銀行にお金を借りておくことが大切だと話します。

「例えば、500万円の自己資金があるとしても、それを全て創業時の資金に使わないほうがいいと思います。500万円と明記された預金通帳を持って、銀行借入をして、せっせと毎月返済していく。資金が十分にあるうちに銀行との間に信頼関係を築くことが重要です」

また、有効な資金調達の方法として『クラウドファンディング』も紹介されました。不特定多数の人たちに出資をしてもらい、出資額に見合う返礼品を渡すシステムです。

クラウドファンディングを提供する会社はいくつかありますが、『CAMPFIRE (キャンプファイヤー)』や『Makuake(マクアケ)』が有名どころです。地域・地方に特化した『FAAVO(ファーボ)』などもあります。

事例として紹介されたのが、福知山市内でカフェの開業を目指しているBAKE&CAFE『Loople』さんのチャレンジ。約1ヶ月間、お店のコンセプトやストーリーが公開されるので、たくさんの人たちに認知してもらえるきっかけにもなります。

チャレンジするには手数料が必要ですが、出資額=借金ではないので、負担を少なくお金を集められます。また、自分が考えたコンセプトやストーリー性の良し悪しについて、世の中に問いかける手段としても有効だと三澤さんは勧めます。

開業前の事前準備が大事

続いて話されたのは「借金」と「銀行」について。

三澤さんは参加者に「借金は怖いですか?」と問いかけます。満場一致で「怖いです」との答えが。でも、「じゃあ、なぜ借金が怖いのでしょう?」との問いかけについては思い当たる理由が思いつきません。

「お化けって怖いですよね。それって、見たことがない、実態のないものだから怖いんだと思うんですよ。借金にも実態がないし、ネガティブな先入観を抱きがち。だからこそ、借金の仕組み、銀行の仕組みを理解しておけば怖くなくなるはずです」

当日は三澤さんの実体験に基づいた、詳しい説明をしてもらいました。例えば、銀行の特徴を把握すること。銀行借入といっても、銀行によって特徴はさまざまです。また、前提として、銀行がお金を貸す相手は、法人・個人にかかわらず、あくまでも“人”であること。銀行との関係性や熱意が伝わる事業計画が必要になってきます。

一方で、身内を保証人にしたり、親族や友人からお金を借りることは避けたほうがいいと注意します。

「自分が始めた事業なのだから、自分で責任を取りましょう。また、親族や友人から支援の声をかけられても、絶対に断ったほうがいいです。後々になって危険な関係性になりますし、自分の力で資金調達をせずに起業しても上手くいきません」

最後に「開業前にちゃんと準備をしましょう」と三澤さん。

「大切なのは成功した回数ではありません。どれだけ這い上がれるかです。事業を始めることは、そもそも成功率の低い世界に飛び込むこと。ちゃんと知識を身に付けて、準備をしておけば、失敗しても立ち上がれます。準備をしっかりした上で、夢に向かって突き進んでください」とアドバイスを贈り、講座の幕が閉じられました。

2020年8月から始まった【カフェの学校】。『市島製パン研究所』の店主・三澤 孝夫さんを講師に迎え、「基礎知識編」「基礎知識編アンコール」「コンセプト編」、そして最終回の「資金計画・資金調達編」と開催してきました。

カフェの開業はゴールではなくスタート。三澤さんからたくさんのメッセージを受け取った受講生たちが、どのようなカフェやお店を開くのか楽しみです。これからの皆さんのチャレンジを応援しています!