レポート

お家コーヒーを愉しもう!【GLC drinks #2】開催レポート

2020/10/06

8月28日(金)に開催されたオンライン座談会【GLC drinks #2】。今回は「お家で愉しむコーヒー時間」がテーマです。

ゲストにご招待したのは『しずく舎』さん。焙煎したての豆を使って、心を込めて、丁寧に淹れてくれるコーヒーは、ほっとひと息つける至福の1杯。福知山ワンダーマーケット出店者でもお馴染みの方です。

お家で愉しむコーヒー時間

ハンドドリップを日課にしている方から、カフェを営む方まで、コーヒーに関心のある5名が参加。今回は福知山市や関西圏内だけでなく、福岡県からの参加者さんも!距離を飛び越えて繋がれる、オンラインならではの良さを感じられました。

しずく舎さんに知識や技術を存分に披露してもらった、当日のイベント模様をお届けします!

コーヒーの文化を嗜む

前半のテーマは、コーヒーにまつわる雑学「トレンドの遷移」について。コーヒーの楽しみ方は時代によって移り変わり、それらは一般的に”波”に例えられているのだそう。それぞれのトレンドを解説してもらいました。

ファーストウェーブ

19世紀後半から1960年代まで続く「第1の波」。コーヒー豆の流通や保管方法が発達し、大量生産・大量消費が盛んとなった時代です。コーヒーが嗜みやすいポピュラーな飲み物になりました。喫茶店ブームもこの頃です。

セカンドウェーブ

1960年代、シアトル系コーヒーチェーンが台頭した「第2の波」。高品質かつ深煎りのコーヒー豆を使い、ミルクやフレーバーを加えたアレンジコーヒーが広まりました。カフェの文化が広まったのもこの頃です。

サードウェーブ

2000年代から広まりはじめた「第3の波」。コーヒー豆が持つ本来の味わいに注目する、シングルオリジン(コーヒーを農場単位で考えること)が流行します。コーヒー豆の焙煎は浅煎り、抽出方法はハンドドリップ、風味をより楽しむためのスタイルがトレンドとなりました。

途中で話してくれた豆知識のなかで、印象的だったのは「ブレンドとシングルオリジンの違い」について。ブレンドは、2〜3種類のコーヒー豆が持つ長所を織り交ぜることで、奥行きのある風味やお店独自の味わいを生み出します。

シングルオリジンは、農場や生産者、品種、精製方法などの単位で1つの銘柄を選び、コーヒー豆が持つ味わいそのものを楽しみます。コーヒーの品評会「カップ・オブ・エクセレンス」に入賞したコーヒー豆は、100g単位で1,000円を超えるものもあるのだそうです。

1960年代から現在に至るまで、いろんな変化を遂げてきたコーヒー文化。今後もどのようなトレンドが生まれるのか楽しみです。

コーヒーのお困りごと相談会

後半のテーマは「コーヒーにまつわるお困りごと」について。今回、参加者の皆さんに向けて事前のアンケートを実施。疑問点や課題点を受けて、しずく舎さんがアドバイスを提案する、相談会のような形で開催されました。

参加者から問いかけられたのは、「安定して抽出するコツはありますか?」という質問。器具や焙煎度合いによって、味わいにバラつきが出てしまうのが悩みだと話します。

その課題に対して、「器具によって抽出される味わいの違いを知っておくといいですね」としずく舎さん。自作のイラストを交えて解説してくれました。

コーヒーの抽出器具(ハンドドリップ)には大きく分けて2種類があります。「透過式」はコーヒーにお湯を通す抽出。スッキリとした味わいを出したいときにおすすめです。一方、「浸漬式」はコーヒーをお湯に漬け込む抽出。コクや甘みが引き出されます。

また、焙煎度合いによっても味わいは変化。例えば、同じエチオピア産のコーヒー豆でも、「浅煎り」ではジャスミンやレモンといった柑橘系の風味、「中煎り」ではナッツの香ばしさとレモンの余韻、「深煎り」ではローストのコクと独特の奥行きが生まれるのだそうです。

次に問いかけられたのは、「ハンドドリップでお湯を注ぎ足すタイミングが分からず迷ってしまいます」という質問。しずく舎さんは「味わいはお湯の量や注ぎ方によって変わります」と指摘します。

まずは、一度に注ぐお湯の量について。ポイントは「コーヒー豆をかき回さないこと」です。一度に多く注いでしまうと、コーヒー豆がぐるぐると回転してしまい、雑味などが出やすくなってしまうのだそう。カップ1杯分に対して、2〜3回でお湯を注ぐのが理想です。

また、注ぎ方にも注意。「ドリッパーに対して垂直に淹れること」がポイントで、斜めからお湯を注ぐとコーヒー豆に当たることなく流れてしまいます。真ん中に「の」の字を描きながら淹れるのがコツです。

その他、以下のような質問もありました。


Q. お湯を注いでいると「崖」のようなものができてくると思うのですが、それは崩さないほうがいいのでしょうか?

A. 崖が見えた状態でお湯を注ぎ足すと、コーヒー豆が撹拌してしまうので、ある程度お湯をためた上で、崖が見えかけくらいのときにお湯を追加するのがおすすめです。

 

Q. 一度に何人分くらい淹れるのが一番美味しいのでしょうか?

A. フィルターにセットするコーヒー豆の量が多ければ、それだけお湯に接触する量も増えるので、安定した味わいを出しやすくなります。一度に2杯分を淹れるのがおすすめですね。


今回ご紹介したほかにも、しずく舎さんに教えてもらったノウハウがたくさん!自作イラストを交えながら、納得のいく理由も合わせて、一人ひとりの課題に応えてくれました。

また、コーヒーの抽出方法は、お湯の量や温度、蒸らす時間などによって変わってくるのだそう。「例えば、蒸らす時間を10秒単位で変えてみる。自分好みの味わいを探しながら、コーヒーを楽しんでほしいですね」とアドバイスが贈られました。

参加者の皆さんからは、「出店者さんというより先生みたい!」「説明を聞いていたらコーヒーを淹れたくなりました」との声が。また、後日、「アドバイス通りに淹れたら、本当に美味しくなりました!」と感想をくれた方もいました。

まだまだ、聞きたいことがある…!

そんな余韻のなかで幕を閉じたオンライン座談会【GLC drinks #2「お家で愉しむコーヒー時間」】。今後もコーヒーが好きな人同士の交流やをつくっていきたいと思います。また、【GLC drinks #3】も企画中。サイト上で告知していきますのでお楽しみに。

次の会場でお会いしましょう!