上六人部の純米吟醸『さつき和花』
奥丹波の小さな集落・上六人部(かみむとべ)の人たちと、全国から集まった12名の有志が協力し、新しい日本酒『さつき和花(のどか)』が生まれました。
福知山市の花である「さつき」の花言葉と同様に、まさに様々な人たちの「協力を得られる」ことで生まれたお酒。果物を思わせる爽やかな香りとすっきりとした味わいに仕上がっています。
さつき和花は、福知山市の酒蔵『東和酒造』及び酒屋『辰巳屋商店本店』の店頭、または『オンラインショップ』にてご購入いただけます。“数量限定”の販売となりますので、お早めにお買い求めください。
◆オンラインショップはこちら◆
第2回目「日本酒造り体験」レポート
京都府福知山市の南東に位置する上六人部地区。この地域を舞台に、上六人部活性化協議会が主催の地域イベント『日本酒造り体験』が開催されました。『さつき和花』は、全国から集まったイベント参加者と、地元の人たちとの協力によって生まれた日本酒。その軌跡をレポート記事としてお届けします。
清々しい秋晴れ、赤や黄色に色づいた山肌。秋の装いに移りゆく11月中旬、福知山市 新町商店街で日本酒のネーミング ワークショップが開催されました。
上六人部活性化協議会が主催の地域イベント『日本酒造り体験』。お酒をテーマに地元の魅力をアピール。イベントを通じてファンを増やし、関係人口の拡大や地域活性を目指す取り組みです。
プログラムを通して造るのは、自分たちのオリジナル日本酒。前回の稲刈り体験は、真夏の日差しが照りつける8月下旬に行われました。それから季節ががらりと変わって。今回は第2回目となる「日本酒のネーミング ワークショップ」をお届けします!
日本酒のネーミング ワークショップ!
福知山市の新町商店街にあるキッチン付きレンタルスペース『アーキテンポ』。福知山市内外から12名の参加者が集まりました。前回の稲刈り体験から約3カ月。久しぶりの再会です!
第2回目のテーマは「ネーミング」です。一人ひとりに日本酒のネーミングに挑戦してもらい、投票によって優秀作品を決定。今回のイベントでつくる日本酒の名前として採用され、実際に販売されます!
とはいえ、なにからはじめたらいいの?ということで、ゲスト講師にコピーライターの公庄 仁さんをご招待。数々のTVCMや広告の制作に携わっており、現在は東京と福知山の2拠点で活動されています。
また、優秀作品をもとに、実際に販売される酒瓶のラベルをデザインしてくれるのが、グラフィックデザイナーのスワミカコさん。現在は新町商店街でデザインスペースを兼ねた小さなお店『ヒカミヤ』も開かれています。

まずは公庄さんの講義から…と思いきや、まさかの「まずは3分間でネーミングに取り組んでみてください」とのお題が。「え!?いきなり?」と参加者の皆さんからどよめきがあがります。戸惑いながらメモ用紙に向かいますが、なかなかペンが進みません。
3分後、公庄さんから「書けなかった人はいますか?」と問いかけられ、全員が手をあげます。ここで「実はいきなり考えようとしても難しいことを体感してもらうために、あえて時間を設けてみました」と種明かし。皆さんも納得の表情です。
そこで、公庄さんから学んだのは「アイデアを考えるコツ」について。いきなり考え始めるのではなく、「①調べる ②考える ③磨く ④選ぶ」のステップを踏むことで良いアイデアが生まれやすいのだそう。まずは調べることが大事だと教わりました。
また、日本酒の名前はいくつかに分類ができるのだそう。例えば、上六人部や福知山市といった「地域発想」、酒蔵や杜氏に由来する「造り手発想」、物語が込められた「ストーリー発想」など。このように分類・整理されると、アイデアの方向性が見えてきますね。
公庄さんから学びのエッセンスを受け取りながら、参加者の皆さんもネーミングにチャレンジ。4人1組でテーブルに着き、個人ワークとグループワークを繰り返しながら取り組みました。
1回目のグループワークでは、それぞれの知識をシェア。最近飲んで印象に残っていた日本酒、日本一長い名前の日本酒、メガネ専用の日本酒など、さまざまな意見が出ました。皆さん、さすがの引き出しの多さです…!
個人ワークでは、ネーミングのアイデアを洗い出すことからはじめました。「悩み込まずに手を動かし続けることがポイントです」と公庄さん。自分以外のアイデアも取り入れながら、発想を膨らませていきました。同席していただいた上六人部活性化協議会の方々から地域の特徴や歴史についても教わります。
また、ストーリー発想でのネーミングにもチャレンジしました。活用したのは『かみむとべAtoZ』。地域資源の掘り起こしのため、上六人部活性化協議会が制作したCDサイズの冊子です。今回のイベントでつくる日本酒に、どのような物語を込めたいのか。その糸口を掴むために、冊子に掲載されている景勝地や特産物といった26の地域資源からヒントを探りました。
アイデアをたくさん考えたあとは、そのの中から1案を絞り込み。事前に用意された画材道具を使って、発表用の台紙に名前とデザインを描き、空き瓶に貼り付けていきます。
筆ペンを駆使して書体で勝負する人もいれば、水彩絵の具で華やかに彩る人、色鉛筆やパステルを使ってイラストを描く人など、それぞれの個性や工夫が表れていました。
いよいよプレゼンテーション!
自分で考えた名前とネーミングのポイントを発表。それぞれに熱い想いが込められていて、短時間でつくったとは思えないほどのレベルの高い作品ばかりです。
全員の発表が終わり、優秀作品を決める投票に移ります。あまりの出来栄えの高さに審査員側も選ぶのに苦悩。公庄さんも思わず頭を抱えていました(笑)。参加者12名と上六人部活性化協議会・東和酒造さん・運営側が審査員として加わり、それぞれが1票を投じます。
一度に決まってしまうかも…
と思いきや、同票が2回も続く大接戦に!
そして、ついに!
大盛り上がりの決選投票の結果、今回のイベントでつくる日本酒の名前は『さつき和花(のどか)』に決定しました!!
名前の由来にはじんわりと心があたたまる想いが込められていました。以下、作成者のコメントを抜粋してお届けします。
「福知山市のシンボルの花である“さつき”をベースにつくっています。さつきの花言葉は“協力”。今回のイベントに関わる皆さんで協力しながら、和気藹々とつくったお酒であること。また、お花のように柔らかな風味に仕上がったらいいなという想いを込めてみました」
今回、作成してもらったアイデアをもとに、グラフィックデザイナーのスワミカコさんがブラッシュアップ。2021年1月の最終回、乾杯とともにお披露目となります!
日本酒のネーミング ワークショップを通じて、参加者からは「大人の工作の時間みたいで楽しかった!」「ネーミングやコピーライターの方から直に教わる機会がなかったので、とてもいい経験になりました」と感想をいただきました。
最後に上六人部活性化協議会の副代表・芦田 義孝さん、日本酒を製造していただく東和酒造さんの挨拶で締められ、第2回目の幕が閉じられました。
上六人部活性化協議会が主催の福知山観光地域づくりイベント『稲刈りして、日本酒を造ろう!』。年内最後となる第3回目は今回のイベントの大目玉!東和酒造さんの酒蔵を訪ねて、実際に酒造りを体験してもらいます。イベントレポートをお楽しみに!
参加者の作品をご紹介!
最後に参加者12名が考えた作品を掲載!プレゼンテーションで参加者一人ひとりが発表したコメントも添えてご紹介します。どのネーミングも作者の深い想いが込められたものばかり。是非、お気に入りの1本を見つけてみてください。