夜の街に輝く「スナック」のネオン。楽しそうだけれど、入口の向こう側になかなか一歩を踏み出せない。そんな初心者さんに向けて企画されたのが『福知山ナイトホッピング』。2020年10月17日、スナック文化を体験できるナイトツアーが開催されました。
本会場は古き良きスナック文化が残る福知山市。また、サテライト会場の山梨県・新潟県と全国各地の参加者がオンラインで同時に参加しました。それぞれの場所でスナックや夜の街を楽しんだイベント模様をお届けします!
福知山の夜に乾杯!ママに教わるスナック作法
福知山市の中心市街地に看板を掲げるスナック。『福知山ナイトホッピング』は、3つの店舗を巡りながら、名物ママと乾杯を交わし、初心者向けのスナック作法をレクチャーしてもらうツアー・イベントです。今回は「女性オーナーが経営しているBARや居酒屋」をスナックと定義。屋内で密にならないよう、店先の路上を活用して乾杯しました。


参加証となる<光るぼんぼり>を身につけて、BARスタイルの<光る移動屋台>を引きながら、自分がホタルになったつもりで福知山の夜の街をホッピング! 各スナックの店先でお酒や食事、お喋りを楽しみます。
新町商店街『アーキテンポ』の前に集合したのは、20〜30代の女性参加者。スナック未経験者から初心者まで集まりました。また、<光る移動屋台>にモニターを置いて、山梨・新潟のサテライト会場&東京・横浜・姫路・京都市内の全国各地の参加者もスタンバイします。
開始時刻となり、主催者からの掛け声で、全国各地の会場と参加者が同時に乾杯!参加証に明かりを灯し、屋台をひいて。
福知山の夜の街にLet’s Hopping!!
最初に訪ねたのは、スナック『ぶらぼう』さん。その歴史はとても長く、数十年前から福知山の夜に明かりを灯し続けてきました。現在のママは3代目にあたり、お店を引き継いで2年目になるそうです。
スナックの店先でママを交えて乾杯!
早速、スナックのお作法について聞いてみました。
例えば、「スナックは“一見さんお断り”のイメージがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?」という質問。今回訪ねた3店舗全てに問いかけたところ、ママからは「初めてでも大歓迎!」と口を揃えて答えてくれました。


次に訪ねたのは、いろんなお店が入居している建物。そのなかのスナック『てふてふ』さんにお邪魔しました。店名の意味は「蝶々」や「喋々」などの旧仮名遣いによる表記なのだそうです。
スナックのお作法で聞いてみたのは、「そもそも“ママ”って呼んでもいいの?」という素朴な疑問。対して、「その呼び方で大丈夫!」とした上で、ママはスナックを運営する店主、言い換えれば社長、だからこそ「敬意を持って接してくださいね」と教えてくれました。
また、「ボトルキープってなに?」という質問も。ボトルキープとは、お酒をボトル(瓶)で購入してお店に預けておくサービスのこと。お酒を一杯ずつ注文するよりも、安く、多く飲める仕組みです。
ちなみに『福知山ナイトホッピング』では、オリジナルボトルを各スナックに1本キープ。参加証の<光るぼんぼり>があれば、いつでもチャージ料金で楽しめちゃいます(※なくなり次第終了)。

最後に訪ねたのは、ほろ酔い居酒屋『かざぐるま』さん。奈良県天理市で20年あまりお店を続けたあと、福知山市で看板を掲げるように。ママの大好きな風車が店名の由来です。
スナック初心者として気になっていたのが「アルコールが飲めなくても大丈夫?」という心配。ママからは「もちろん!ソフトドリンクだけでも大丈夫!」と快く答えてくれました。店内はカウンター席が並ぶ家庭的な雰囲気。美味しいご飯も充実しているので、夕食感覚で利用するお客さんもいるそうです。
全国各地とオンラインで同時中継!
続いては、当時中継されていた山梨県・新潟県のサテライト会場もご紹介しましょう。
山梨県の会場は『十四番目の月』。甲府駅前の飲み屋街にある創作和食レストランです。バーホッピングが開始する前から、常連のお客様と大盛りあがり!画面いっぱいに楽しげな雰囲気が伝わってきます。
江戸時代から続く伝統芸能「太神楽師」の丸一 仙三さんがゲストに登場! 和傘を使った曲芸や疫病の流行を予言したと伝えられる「ヨゲンノトリ」をテーマに作られたヨゲンノトリ音頭を披露してもらいました。
新潟県の様子を伝えてくれたのは、『ARTS PROJECT SCHOOL(APS)』の新潟校の卒業メンバー。おけさ笠モデルのフェイスガード<ボンバイザー>や<提灯ヘッド>など、オリジナルアクセサリーを身に着けて参加してくれました。
福知山側から贈られたお土産を手押し車いっぱいに乗せて、お酒を片手に新潟の夜の街をホッピング。商売の神様『白龍大権現神社』にお参りするところからはじまり、飲み屋街として有名な『古町通』、アーティスト御用達のゲストハウス、終着点の国指定重要文化財『萬代橋(ばんだいばし)』まで案内してくれました。
また、東京・横浜・姫路・京都市内からのオンライン参加者からは、事前に送られた福知山おつまみ&お土産セットを手元に、それぞれの場所で楽しむ姿を見せてくれました。
オンライン参加チケットにはいくつか種類があり、そのなかのひとつ<美食贅沢鴨鍋セット>は、福知山を代表する鳥料理居酒屋『とりなご』の名物「鴨鍋セット」を自宅で楽しめます。参加者の一人がご家族と一緒にお鍋を堪能! 温かな団らんの様子も伝えてくれました。
またどこかで乾杯できる日を願って
本会場の福知山チームが『かざぐるま』さんに到着し、サテライト会場の山梨・新潟チーム、オンライン参加者がモニターの前に集まり、最後は「ふくちやまー!」の掛け声で集合写真をパシャリ!『福知山ナイトホッピング』の幕が閉じられました。
参加者からは以下のような感想が挙がりました。
「スナックそれぞれに個性があっておもしろい!」
「若者は門前払いされると勝手に思っていましたが、ママはもちろん、居合わせたお客さんもおもしろくて個人的にまた行ってみたいと思いました」
「ママやお客さんのお話を聞いて、スナックはもっと気軽に行ける場所なんだなと思いました。目からうろこな体験ばかりでした!」
また、各会場の代表からも以下のようなコメントをいただきました。
山梨:大人数で集まれる機会がぐっと減っていましたが、今回、久々に仲間と会える機会に恵まれました。このご時世、地元も寂しいままですが、このようなイベントが活気を取り戻すきっかけになれたら。日本全国が元気になればいいなと願っています。
新潟:新潟市内の飲み屋街でも活気をと取り戻そうとイベントが開催されています。そのなかで、今回、APSの卒業メンバーが集まり、オンラインで全国と繋がりながら夜の街を盛り上げるプロジェクトに参加できて楽しかったです。<光るぼんぼり>を持って、みんなで福知山に遊びに行きます!
福知山:福知山の夜の街を歩いているとき、通りすがりの人から「おもしろそうなことやっているね」と声をかけてもらえることが度々ありました。今回のようなイベントができるようなオープンな街って、とても貴重だと思うんです。全国の活気を取り戻すきっかけづくりとして、今後もいろんな場所で開催したいですね!
今回、「スナック文化を体験する」をテーマに開催された『福知山ナイトホッピング』。その背景には別の想いも込められていました。
どうしても「密」になりやすいスナックの空間。コロナウイルス感染症の影響でお客さんは大幅に減り、なかには閉店に追い込まれたお店もあります。それは福知山だけでなく、サテライト会場となった新潟県や山梨県でも同じこと。夜の街の賑わいがなくなり、寂しい現状も伝えてくれました。
このような状況を知ってもらいたい。そして、みんなで盛り上げていきたい。そんな想いもあって開催された『福知山ナイトホッピング』は、それぞれの街を活気づけるきっかけとなったことでしょう。
またどこかで乾杯できる日を願って。
Let’s Hopping Again!!
写真協力:@photohito_1003